研究テーマ
多臓器にわたるミネラル代謝と慢性腎臓病・骨粗鬆症予防研究
リン代謝の多臓器連関制御機構解明と慢性腎臓病新規治療法の開発
無機リン酸イオン(以下リン)は ATP、核酸合成、細胞膜や骨格形成に必須のイオンである。生体におけるリン代謝は、腸管、骨吸収と骨形成、腎臓などが様々な調節因子に応答し、厳密な制御が行われます(図1参照)。 加齢やリンを多く含む加工食品の多量摂取は腎機能を低下させ、リン代謝異常(高リン血症)を惹起させます。高リン血症は骨疾患、心血管疾患、腎不全や寿命短縮などを引き起こす為、生体に重大な問題です(図2参照)。我々は既存のリン代謝調節系に加えて、肝臓を中心とした、新しい代謝系(Nampt/NAD経路)を見出しました(図3参照、J Am Soc Nephrol. 2014)。 この経路は慢性腎臓病進展予防、寿命制御、エネルギー代謝にも積極的に関与しているため、その詳細を解明するため、多くの遺伝子組み換え動物を利用し 研究を進めています。
図1
リン代謝の多臓器連関制御機構解明と慢性腎臓病新規治療法の開発
無機リン酸イオン(以下リン)は ATP、核酸合成、細胞膜や骨格形成に必須のイオンである。生体におけるリン代謝は、腸管、骨吸収と骨形成、腎臓などが様々な調節因子に応答し、厳密な制御が行われます(図1参照)。 加齢やリンを多く含む加工食品の多量摂取は腎機能を低下させ、リン代謝異常(高リン血症)を惹起させます。高リン血症は骨疾患、心血管疾患、腎不全や寿命短縮などを引き起こす為、生体に重大な問題です(図2参照)。我々は既存のリン代謝調節系に加えて、肝臓を中心とした、新しい代謝系(Nampt/NAD経路)を見出しました(図3参照、J Am Soc Nephrol. 2014)。 この経路は慢性腎臓病進展予防、寿命制御、エネルギー代謝にも積極的に関与しているため、その詳細を解明するため、多くの遺伝子組み換え動物を利用し 研究を進めています。
図1
栄養代謝の日内リズムを考慮した慢性腎臓病進展予防の栄養管理法の開発
慢性腎臓病の早期リン代謝異常の改善は、血管の石灰化予防、リン管理(食事時間、食事法)腎保護につながり、死亡リスクを改善することができます。血中リン濃度には、顕著な日内リズムが存在し、高リン血症の是正には、その形成機序の理解が重要です。特に、維持透析患者の死亡リスクは、早朝空腹時のリン濃度が規定するとされています。最近我々は血中リン濃度の日内リズム形成機序に、肝リン利尿因子とNampt/NAD経路の関与することを見出しました(Kidney int. 2018)。これらの成果をより、肝リン利尿因子の分泌促進を促す食品の探索と、体内時計を考慮した、慢性腎臓病治療法および進展予防の食管理方法を開発しています。
骨細胞の役割の解明と骨粗鬆症予防法の開発
骨細胞は骨組織を司る細胞の中で最も数が多く90-95%を占めます。また破骨細胞(骨を削る)、骨芽細胞(骨を作る)に比して圧倒的に寿命が長く、10年から20年以上もあるのが特徴とされています。これまで、骨細胞は眠っている細胞を言われ、役割の多くが不明でしたが、我々の研究成果を含めた最近の多くの報告より、その機能が明らかとなってきました。我々が開発した骨細胞(骨代謝の司令塔細胞)のないマウスが骨粗鬆症を呈するため、老化に伴う骨細胞数の減少抑制を目指した、栄養管理法の開発を目指して研究を進めています(図4 参照、Cell Metabolism 2007)。
図4
骨細胞は骨組織を司る細胞の中で最も数が多く90-95%を占めます。また破骨細胞(骨を削る)、骨芽細胞(骨を作る)に比して圧倒的に寿命が長く、10年から20年以上もあるのが特徴とされています。これまで、骨細胞は眠っている細胞を言われ、役割の多くが不明でしたが、我々の研究成果を含めた最近の多くの報告より、その機能が明らかとなってきました。我々が開発した骨細胞(骨代謝の司令塔細胞)のないマウスが骨粗鬆症を呈するため、老化に伴う骨細胞数の減少抑制を目指した、栄養管理法の開発を目指して研究を進めています(図4 参照、Cell Metabolism 2007)。
図4
老化が誘発する疾患に関わる栄養代謝研究
体内リン過剰の抑止による健康寿命の延伸について研究を進めています。
リン過剰状態になると腎臓の老化、全身性の炎症が引き金となり、多くの老化に伴い進展する疾患に罹患するリスクが高まります。 そのため、食事などによるリン栄養管理は非常に重要です。
そこで我々は、体内リン過剰状態、老化状態をシミュレーションし、リンコントロールができる抗老化食品の開発研究を行なっています。
体内リン過剰の抑止による健康寿命の延伸について研究を進めています。
リン過剰状態になると腎臓の老化、全身性の炎症が引き金となり、多くの老化に伴い進展する疾患に罹患するリスクが高まります。 そのため、食事などによるリン栄養管理は非常に重要です。
そこで我々は、体内リン過剰状態、老化状態をシミュレーションし、リンコントロールができる抗老化食品の開発研究を行なっています。